Medical Diet46 ラーメンはダイエットの敵なのか

ダイエットに取り組んでいるときに我慢をしなければならない食べ物というと上位にあげられるのがラーメンです。ラーメンはスープに脂肪が多い印象があり、豚骨ラーメンでは1杯あたり800kcalほどで、脂肪が少ない醤油ラーメンでも1杯あたり470kcalほどとなっています。太りたくないからスープを飲まないようにしている人も多くなっていますが、麺のエネルギー量は分量によるものの300〜400kcalほどとなっています。
脂肪が多いラーメンでは半分ほどが麺、少ないラーメンでは3分の2ほどが麺のエネルギー量となっています。麺の量はそのままで、スープを減らしただけでは、それほど摂取エネルギー量が減っていないということです。
ラーメンに限らず、麺類は全体的に1食分が300kcalほどとなっています。100kcal単位で摂取エネルギー量を考える100kcalダイエット法でも、1食分(1玉)は300kcalとして計算しています。ご飯は茶碗1杯が200kcalで、チャーハンの場合には量によって茶碗にすると2〜3杯分なので、400〜600kcalにもなります。醤油ラーメンを食べるほうが摂取エネルギー量が多いこともあるのです。
食品に含まれるエネルギー量だけで太るかどうかが決まるわけではなくて、吸収率の違いも関係しています。ご飯は粒なので、消化してバラバラの糖質にするまでに時間がかかります。そのために、すべてが吸収されるわけではありません。これに対して麺は粉を練って作られているので、すぐに消化され、吸収も早くなっています。粉から作られるということではパンも同様です。
ラーメンの麺は消化されやすく、吸収されると血糖値を早く上昇させます。血糖値に反応して膵臓からインスリンが分泌されますが、インスリンには肝臓での脂肪合成を進める働きがあります。糖質も余ったものは脂肪に合成されます。また、インスリンには脂肪を脂肪細胞の中に取り込む働きもあるので、糖質と脂肪を同時に摂ることになるラーメンは、やはり太りやすい料理だということになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)