朝食は英語ではブレックファースト(breakfast)です。Breakは壊す、破るという意味で、何を破るのかというと断食です。夕食を食べたあと(中には夜食のあとという人も)何も食べない状態であったのを朝になって初めて口に入れて断食を終えるのがブレックファーストです。
空腹状態で食べたものは吸収率が高くなっています。これは普通の感覚でしょうが、エネルギー源の吸収率は種類によって異なっていて、時間によっても吸収率は違います。朝の時間帯に吸収率が高まっているのは糖質とたんぱく質です。糖質は、すぐにエネルギー源となるものなので、寝ている間にも基礎代謝で多く使われています。活動時間には基礎代謝が約70%、活動代謝が約20%、食事をすることによって使われる食事誘発性熱産生が約10%となっています。ただ寝ているだけでも約70%のエネルギーが使われていることになるために、糖質を効率よく吸収するのは理にかなっています。
たんぱく質の吸収が朝に高まるのは、体内で減少したタンパク質を補うためです。“たんぱく質”は食事で摂った栄養素、“タンパク質”は体内にある身体の構成成分や体内で使われる成分というように使い分けています。夕食で充分な糖質が摂れていないと、寝ている間のエネルギー源として体内のタンパク質が分解されたアミノ酸が使われます。糖質制限をすると糖質の代わりに脂質(脂肪)が使われるように思われがちですが、タンパク質が減ることで体重が下がるということも起こりやすくなります。
失われたタンパク質を補うためには、朝食でたんぱく質が多く含まれた肉類、卵、乳製品を摂ることがすすめられます。タンパク質が失われないように、寝る前に糖質を摂るというようなことをしてはいけないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)