朝食は食欲が湧かないので軽く済ませたいという人もいますが、朝食ではたんぱく質が豊富に含まれた肉類、魚類、卵、乳製品、大豆・大豆製品を摂ることが大切になります。寝ている間には脂肪の分解が起こりにくいので、主には糖質のブドウ糖がエネルギー源として使われます。
血液中のブドウ糖には限りがあって、不足すると体内のタンパク質を分解してアミノ酸にして、これをエネルギー源として使っています。そのため筋肉が減った状態になります。これを朝食で補おうというわけです。(食事に含まれているものは“たんぱく質”、体内にあるものは“タンパク質”と使い分けています)
たんぱく質を朝食で補う必要があるのは、一般には就寝前に比べて起床時の体重が1kgほど減っている状態のときです。
では、夕食に糖質を多く摂り、場合によっては寝る前に糖質を摂って、筋肉のたんぱく質を減らさないようにしようということを考える人もいます。しかし、科学的なダイエットを考えるなら、夕食で糖質を多く摂りすぎることも、それ以降に糖質を摂ることも避けるべきです。というのは、血糖値が高まった状態で就寝すると、夜は活動が少なくてエネルギー消費も少ないことから、余ったブドウ糖が肝臓で脂肪に多く合成されるようになり、脂肪細胞に蓄積される脂肪が増えることになります。
また、夜は自律神経の副交感神経の働きが盛んになっていて、糖質の消化も吸収もよくなり、膵臓からインスリンが多く分泌されるようになります。インスリンには肝臓での脂肪の合成を高める作用があるので、なおさら寝ている間の脂肪の蓄積が増えていくことになるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)