Medical Diet54 標準体重は標準なのか

健康を維持するためには、標準体重に保つのがよいとの考えがあります。以前に体重管理について指導された人の中には、標準体重にするように言われた人も多くいました。標準体重という用語は、そのまま理解すると標準の体重ということになりますが、これを消費エネルギー量の計算式に用いている厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、基礎代謝量を計算するための標準的な体重ということで、これが健康的な体重だとしているわけではないのです。
標準体重は「身長(m)×身長(m)×BMI22」で計算されます。BMIは体重と身長の関係から算出されるヒトの肥満度を表す体格指数で、一般にはBMI(Body Mass Index)と呼ばれています。この体格指数の22というのは、日本人を対象にした健康度の調査で、最も健康度が高い人で得られた数値です。身長と体重の関係でいうと、身長が170cmの場合には「1.7(m)×1.7(m)×22」で63.58kgとなります。
日本肥満学会では、BMIによる判定基準を示していて、普通の範囲は18.5以上~25未満としています。これを当てはめると「1.7(m)×1.7(m)×18.5」で53.465kg、「1.7(m)×1.7(m)×25」で72.25kgとなります。25以上が肥満となるので、それほど体重を落とさなくても健康が保てるということになります。
女性の場合は、体格指数が22というと、身長が157cmの場合には「1.57(m)×1.57(m)×22」で54.23kgとなり、これは平均体重よりも3kg以上多いことになります。実は体格指数22というのは男性向きで、女性はこれよりも少なめにしたほうが現実的ということです。
〔BMIによる判定基準〕(日本肥満学会基準)
18.5未満:やせ、18.5以上~25未満:普通、25以上~30未満:肥満(1度)、30以上~35未満:肥満(2度)、35以上~40未満:肥満(3度)、40以上:肥満(4度)
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)