Medical Diet59 なぜ野菜ダイエットはリバウンドしやすいのか

太るというのは、脂肪細胞の中に中性脂肪が多く取り込まれて蓄積されることを指しています。食品に含まれる脂肪の多くは中性脂肪で、それが脂肪細胞の中に蓄積されると思われがちですが、中性脂肪は体内でも合成されています。脂肪合成が行われるのは肝臓です。
糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー源のうち、体内でエネルギー源として使われなかったものは余分なものとして脂肪合成されます。糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcalのエネルギー量ですが、脂質は約9kcalと2倍以上になっています。少ない容量で多くのエネルギー量を蓄積するために、わざわざ脂肪に変化させているのです。
エネルギー源となるのは糖質、脂質、たんぱく質だけで、野菜には多くは含まれていません。よく勘違いされるのは、イモ類は野菜の仲間のように思われても、糖質が多いために、太りやすい食品となっています。野菜を多く食べていれば、そればかりか野菜だけを食べていれば太ることはないと感じられています。
確かにエネルギー量は少ないものの、キャベツダイエットのような野菜ばかりを食べれば摂取エネルギー量は少なくなるので、やせることができるように感じます。ところが、野菜ばかり食べていても、なかなかやせないという人は少なくありません。その理由ですが、やせるためには、というよりも正確に言うとエネルギー代謝を高めるためには、必要な栄養素があって、それは野菜にはほとんど含まれていないからです。
その栄養素というのはビタミンB₁₂です。細胞のミトコンドリア内のエネルギー代謝にはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が必要ですが、このうちビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆は植物性食品にも動物性食品にも含まれています。ところがビタミンB₁₂は動物性食品にしか含まれていません。だから、野菜ばかりを食べていたのではビタミンB₁₂不足になって、脂肪をエネルギー化させて減らすことができないということになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)