ダイエットというと、やせることだけが目的のように思われがちですが、メディカルダイエットでは太ることもダイエットと定義しています。ダイエット(Diet)のもともとの意味は方針、作戦、戦略、戦術といった意味があり、国の方針を決める国会は「the Diet」だということは繰り返し伝えてきています。正しい方針に基づいて正しい行動を起こすのがダイエットであり、そこから転じて食事療法と運動療法がダイエットとなりました。
健康という目的に対して、やせなければならない人には、やせることがダイエットです。逆に太らなければならない人にとっては太ることがダイエットとなります。やせるほうは筋肉を減らさずに体脂肪を減らす方法が中心になるのですが、太るといっても、ただ脂肪細胞の中に蓄積される体脂肪を増やせばよいというわけではありません。
筋肉の量は変えないか、むしろ増やして、どれと同時に体脂肪を増やすのが健康的なダイエット法となります。多くのダイエット指導を実施しているジムやスタジオなどで、太る方法としてのダイエットを望んでも、期待する結果が得られないことが多くなっています。これは、やせさせるほうに注力して、結果を出してきたこともあって、それとは異なるオーダーに対応してこなかったということもあります。
メディカルダイエットのきっかけとなったのは、女子レスリング選手の体重コントロールのプロジェクトで、そのミッションは「同じ体脂肪量の選手に対して、同じ運動量、同じ食事量で、一方はやせさせて、もう一方は太らせるという要望に合わせた運動と食事法」でした。これに私たちは入浴や睡眠といった休養を加えて、さらに運動と食事、運動と休養、食事と休養の組み合わせとタイミングによって、より効果を高める方法に取り組んできました。
その具体的な方法については、メディカルダイエットの講習の初級ではさわりを紹介して、本格的な講習は中級で行っています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)