Medical Diet80 ドカ食いvs.ちょこちょこ食い

1日3食よりも2食にしたほうがダイエットしやすいような印象があるかもしれませんが、空腹期間が長くなると逆に太ることが指摘されています。その理由として、空腹を解消するために吸収がよくなるためだとの説もあるのですが、実際には通常の1食よりも食べる量が増えて、空腹を解消するために糖質(ご飯、麺類、パン類)を多く食べるようになることから血糖値が上昇して、そのために肝臓での脂肪合成が高まるからです。
糖質にはブドウ糖が多く含まれています。血液中のブドウ糖が急に増えると、膵臓から分泌されるインスリンが多くなります。インスリンの働きというと、ブドウ糖を全身の細胞に取り込むことが知られていますが、それと同時に肝臓での脂肪酸合成を進める働きもあります。合成された脂肪酸は、3個が結びついて中性脂肪となります。中性脂肪は蓄積型の脂肪で、脂肪細胞の中に蓄えられていきます。
血糖値が急に上昇するからいけないのであって、同じ量の食事をしても2回よりも3回に分けて食べたほうが血糖値は上昇しにくくて、その結果として脂肪合成が進みにくくなります。そうであればと、3回よりも4回、それ以上に分けて、ちょこちょこと食べる方法をすすめる人もいます。
軽い食事をして、空腹を感じたら少し食べるという食べ方もありますが、この方法では糖質が多いものを食べるようになります。少しの量で満足するようになるのは、血糖値を急上昇させて、満腹中枢が刺激されるからです。急に血糖値を上昇されるものの、糖質は胃の中には長くはいられません。完全に消化されて小腸に運ばれるまでの時間は2時間ほどです。それに対して、たんぱく質は約4時間、脂質は約6時間となっています。
ダイエットのためには、代謝を高めるための複数の水溶性ビタミンが必要で、これが不足しているとエネルギー源(糖質、脂質)が充分にエネルギー化されなくなり、余ったエネルギー源は脂肪合成されて脂肪細胞の中に蓄積されることになります。だから、複数の栄養素が含まれる数多くの食品を食べることができる1日に3食がすすめられるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)