Medical Diet81 「飲酒しても太らない」は本当なのか

日本酒1合のエネルギー量が約189kcalとされているのは、アルコール1gあたりのエネルギー量が約7kcalで、1合は180ml、アルコール同数が15度(%)と計算されているからです。水分の1mlは1gとなっています。計算式は「7kcal×180ml×15%=189kcal」となります。
日本酒の原酒は20度前後で、これなら252kcalになります。最近人気の少しアルコール度数が高めの17度のものでは、214kcalで、約200kcalと計算してもよいくらいの度数となっています。ご飯は茶碗に軽く盛った状態では約200kcalとなります。普通盛りでは216kcalとされることもあるので、日本酒1合は、ご飯1杯分と同じくらいと考えることができます。
日本酒1合はビールでは中ビン1本、ワイン1杯、ウイスキーならダブル1杯に相当します。この分量は日本酒1合換算と呼ばれています。これだけのお酒を飲むなら、ご飯を1杯減らせば摂取エネルギーのバランスがとれることになります。
それなのにダイエット関連の書籍などを見ると、アルコール飲料は体温を上昇させてエネルギー消費されるので太りにくいという説が掲げられています。それは事実で、計算上はアルコール飲料に含まれる糖質のエネルギー量に等しいという説もあって、それほど気にしないでよい、ということも書かれています。
しかし、これはアルコール飲料だけを飲んだ場合のことで、食事をしているときに飲酒をすると肝臓で糖質、脂質、たんぱく質を材料にして中性脂肪を作り出す脂肪合成が促進されます。それによって脂肪が多く作られるようになることを考えると、アルコール飲料に含まれるエネルギー量が蓄積される脂肪の量に影響を与えるといっても間違いではないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)