SELME7 メタボ健診からの発想

厚生労働省によって2008年から特定健診・特定保健指導が始まりました。特定健診は一般にはメタボ健診と呼ばれています。

これは40歳以上74歳未満のすべての被保険者・被扶養者を対象に、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防を目的としたもので、結果に基づいて必要に応じて保健指導が行われています。

従来の健康診断は生活習慣病の早期発見・早期治療が重視されてきましたが、内臓脂肪の過剰な蓄積による糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧などの動脈硬化の予防・改善が重視されることになりました。

特定健診・特定保健指導は企業で働く人と家族だけでなく、地域住民も対象として実施されましたが、地域住民への浸透度が低かった理由としてあげられたのはメタボリックシンドロームの理解不足でした。

特定保健指導を行うのは医師、保健師、管理栄養士で、そこで使われる専門用語が理解できないことから指導の効果が現れにくいことは当初から指摘されていました。その状態は今も続いています。

内臓脂肪は蓄積されやすく、食事療法と運動療法によって減らしやすい特徴があるものの、その効果が現れにくく、途中で中断する人がいることは、制度が始まった当初から言われてきたことです。

日本メディカルダイエット支援機構は、2008年に内閣府から特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けてから、エネルギー代謝科学の研究と普及に努めてきました。メディカルダイエットは臨床栄養と運動科学を組み合わせた健康づくりを指しています。

メタボ健診と同じタイミングでスタートしたこともあって、メディカルダイエットが生活習慣病の予防を目的としたものであり、そのための手段として食事療法と運動療法を支援する活動であることは医療と運動の関係者に認識されていました。

行動変容は患者を主な対象とするものの、生活習慣病の予防は重要であり、行動変容の手法である食事療法と運動療法は健康づくりを心がける誰にとっても必要なものといえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕