血糖値対策のサプリメント・健康食品と、同じ目的の医薬品を同じ人が摂ると、体内で効きすぎて血圧が下がりすぎることがあります。そのため、血糖値が高めであった人が医薬品を使う段階になると、血糖値を抑制する作用がある素材が使われた健康食品が禁止されるのは普通にあることです。
血糖値抑制作用のある素材として有名なものは、胃で糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼの働きを抑制して、小腸からブドウ糖が吸収されるのを遅らせ、血糖値の上昇を抑える作用があるものです。
◎グァバ
東南アジアや熱帯アフリカ原産のフトモモ科の常緑樹で、日本ではバンジロウ、中国では蕃石榴(ばんせきりゅう、ばんざくろ)と呼ばれています。葉に含まれるグァバ葉ポリフェノールにα‐グルコシダーゼの抑制作用があります。一部のものは特定保健用食品の素材となっています。
◎桑の葉
カイコのエサである桑の葉には特有のデオキシノジリマイシン(DNJ)が含まれ、α‐グルコシダーゼの抑制作用があります。漢方薬の成分として利尿、血圧降下、解熱、鎮咳などに使われています。血糖値を安定させるインスリンの分泌促進作用のほか、腸内細菌の善玉菌の増殖、体脂肪の蓄積の抑制、脂肪の排出、便通の促進などの作用もあります。
◎コタラヒム
インドやスリランカなどの亜熱帯地域に自生するニシシギ科のツル性低木は、コタラヒム(学名:サラシア・レティキュラータ)とサラシア(学名:サラシアオブロンガ)に分けられます。スリランカ産のものは特にコタラヒムと呼ばれ、有効成分が多い特徴があります。スリランカではコタラヒムブツとも呼ばれ、現地語で「神からの恵みもの」を指します。インド伝承医学のアーユルヴェーダでは、糖尿病の治療や症状の緩和などに用いられてきました。特有成分のサラシノールにはα‐グルコシダーゼの抑制作用があります。
◎サラシア
インドやスリランカなどの亜熱帯地域に自生するニシシギ科のツル性低木で、サラシア・オブロンガ、ポンコランチとも呼ばれます。インド伝承医学のアーユルヴェーダでは、リウマチ、耳の疾患、喘息、湿疹、口渇に対応する薬用植物として樹皮や根が使われてきました。特有成分のサラシノールにはα‐グルコシダーゼの抑制作用があります。
◎豆鼓エキス
豆鼓は中国の伝統食品で、日本では寺納豆として知られ、豆鼓エキスは特定保健用食品の成分となっています。大豆を麹で発酵させ、塩漬けによって熟成させて製造されます。α‐グルコシダーゼの抑制作用があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕