Supplement Design18 カルシウムとマグネシウムによる下痢

カルシウムは小腸からの吸収率が30%ほどで、吸収されなかった分は大腸まで届けられます。カルシウムには腸壁を刺激して蠕動運動を起こす作用があります。

そのため、サプリメントとしてカルシウムを摂ることによって便通が促進されるものの、多く摂りすぎることによって下痢や軟便を起こすことがあります。

カルシウムは血液凝固、筋肉収縮、神経系の調整のほか細胞内外のカルシウム濃度の調整によって細胞の機能の調整、ナトリウム排泄によって血圧調整をする作用があります。不足すると骨粗鬆症や骨軟化症を引き起こします。

さらに、カルシウムの摂取が大きく減少すると脂肪酸合成酵素が活性化して、肝臓で合成される中性脂肪が増加するとの研究成果が報告されています。

食品では、小魚、干しエビ、海藻類、牛乳、乳製品などに多く含まれるので、下痢や軟便が起こるときには、食品からの摂取量を増やすようにします。

マグネシウムは300種類以上の酵素に作用する補酵素であり、筋肉の収縮、神経の興奮抑制、血管拡張による血圧降下、腸の蠕動運動の促進などの作用があります。マグネシウムは下剤の成分でもあって、多く摂りすぎると下痢を起こすことがあります。

そのため、マグネシウムが多く含まれる食品の海藻(ひじき、わかめ)、アーモンド、ピーナッツ、大豆などから補給して、サプリメントの摂取は減らすようにします。

ミネラルウォーターの硬水はカルシウムとマグネシウムの含有量が多いものを指していますが、ヨーロッパの多くは水道水も硬水となっています。イギリスだけが例外的に軟水です。

フランスなどで水道水を飲むと下痢を起こすと言われるのは、そのためです。腸の調子に合わせて、サプリメントとともにミネラルウォーターの内容にも注意をするべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕