Supplement Design6 機能性の高さゆえの“危険性”

サプリメント・健康食品の機能性は、研究は進んでいたものの、それを表示して販売することができない時代には、もっと研究したいと研究者が望んでも決定的な研究発表ができないという状態がありました。そのために、新たなサプリメントなどの素材や製品が、なかなか登場しないという時期もありました。

機能性を表示して販売できるものとしては、1991年に特定保健用食品(トクホ)の制度が始まりましたが、それに続く機能性表示食品制度が始まったのは2015年のことで、四半世紀ほどの期間がありました。

機能性表示食品の検討が始まったときから、サプリメントの機能性研究は急にスピードが上がり、より高い効果を求めて、同じ素材であっても最も優れた品種、栽培地、栽培時期、収穫時期、使用部位、部位の加工法、抽出法、凝縮法などが追求されました。

そのおかげで、同じ素材名のものが同じだけ使われていても、過去の素材よりも内容的に優れているものが登場するようになり、いわゆる“よいもの”が多く紹介されるようになりました。

その“よいもの”が増えてきたために、よくないことも起こるようになりました。それは「よいもの×よいもの=悪い結果」ということで、これまでは医薬品と一緒に摂っても特に問題が起こらなかったサプリメントに相互作用が起こるようになったことです。

相互作用は医薬品の種類が重なることによって、成分同士のバッティングが起こることを指していましたが、今ではサプリメントの成分と医薬品との間でも相互作用が起こるようになりました。

アメリカの「ナチュラルメディシン・データベース」は、サプリメントの成分と医薬品の相互作用が主な項目ですが、徐々にサプリメントの成分同士の相互作用の例が増えてきました。

今ではサプリメントは食品だから安心だ、大丈夫だという時代ではなくて、機能性が高まったために医薬品の相互作用と同じように注意をしなければならない時代に突入しているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕