謎かけのようなタイトルになっていますが、食事だけでは不足している栄養素を摂取するために使うサプリメントは、発達障害児の場合にはサプリメントとして使ってほしいという思いが込められています。まだ、わかりにくいので、用語の説明からするとサプリメント(supplement)は補助、補完、補充といった意味があり、食事に関して使われる場合には、不足する栄養素を摂取するためのものを意味しています。
不足しているものが的確にわかれば、それだけを補えばよいわけですが、実際には総合的にビタミン・ミネラルが含まれているサプリメントを使っている、もしくは使おうとしている発達障害児の保護者が多くなっています。それは“何が不足しているかわからない”からであり、“何を摂ればよいかの情報が伝わっていない”ことによる結果といえます。
日本で一般にサプリメントと認識されているのは栄養機能食品(ビタミン13種類、ミネラル6種類、脂肪酸1種類)で、それぞれ、どのような人が使うかが示されています。しかし、それは一般的なこと(骨の強化、貧血防止など)であって、発育途中の子どもに適したことでもなければ、ましてや発達障害児に適したものでもありません。
その理由は簡単で、栄養機能食品に限らず、機能性表示食品でも特定保健用食品(トクホ)でも、子どもを対象とした試験が行われていないからです。
そのような状況であっても、優れたサプリメントは存在していて、発達障害児の特性を理解して、その改善のために必要な成分がわかれば、保護者が望むサプリメントによる改善は可能です。発達障害でない定型発達の子どもなら、食事の困難さを抱えていたとしても、発達障害児の改善に役立つ方法は通じやすくなっています。
その方法について発達障害児を支える保護者が理解して、栄養補助という意味のサプリメントとして活用することを望んでも、保護者の大変さがわかっていれば直接教えることは無理だと考えます。
そこで、サプリメントについて特別に講習を受けた専門家がアドバイスをすることが重要であり、それは発達障害と栄養摂取について併せて学んだDNAと認定講師でなければ目的を達成することができないと考えて、新たにSPSPの講習を始めることにしました。
DNAについて学びながら、さらにSPSPについて学ぶのは大変であることは承知しています。そのための講習テキストを作り、認定講師の養成をして、さらに情報を発信し続ける私たちにとっても大変なことですが、それを待ち望んでいる人が存在している限りは、「一緒に大変なことに取り組んでほしい」と伝えていきたいのです。
もちろん、大変なことに一緒に取り組んでもらえる方々には、それなりのメリットを設けることも忘れてはいません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕