「三つ子の魂百まで」というのは、持って生まれた性格は生涯変わらない、幼いときに得た性格は年老いても変わらない、という意味だという辞書的な解釈について前回(「三」2)紹介しながら高齢化の課題を考えるきっかけとして文を書きました。
それに続いて、今回は「三つ子の魂」についての考察です。
3歳までは急激に成長する時期で、知能も大きく発達していきます。その差は子どもによって大きく、3歳児健診では心身の発達状態が確認されます。発達障害の可能性が指摘される機会として最も多いのは3歳児健診で、指摘された場合には早期の対応として専門医の受診がすすめられます。
3歳から小学校入学前の未就学の時期は、脳の各部位の機能と神経伝達回路が機能し合いながら成長していく段階です。特に、中枢神経系を構成する脳幹は、意識、身体調整をする生命維持にも関わる重要な役割をしているだけで、できるだけ早く脳幹を刺激して成長を促進するアプローチが重要となります。
このアプローチを行っているのが発達障害児支援施設で、医療スタッフによる指導によって脳幹が鍛えられることが、発達障害の改善につながっていきます。しかし、改善といっても治るということではなくて、発達障害の特性は一生涯継続します。
発達障害児は、統計調査のたびに増え続け、今では子どもの10人が1人の割合で発達障害が認められています。男女差が大きくて、男子は女子の2.4倍ほどにもなっています。男女比でいうと「7:3」の割合です。
男女平等の時代になって久しいところですが、いまだに男性の仕事が重要視される状態が変わっていないことを考えると、男性に発達障害が多いという事実を受け入れて、できることから始めるべきことがあります。
そういった意味では、「三つ子の魂」(特性)は「百まで」続くものであり、その特性について生まれつきだからと諦めることなく、できる限りの改善への取り組みをすべきです。これは保護者だけでなく、その家族だけでなく、地域住民も意識して進めるべきで、発達障害の実態を住民が認識する機会を設けることも重要となってきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕