「肥満は早死」の原因が違ってきた

太っていると早死にすると言われていきたのは、動脈硬化による脳血管疾患、心血管疾患(心臓病)のリスクが高まることが、その原因であったからです。太っているということは、血液中に中性脂肪が増えすぎた状態で、中性脂肪が血管を硬くして、動脈硬化を引き起こすことが明らかになっているからです。
ここでいう“早死”は、動脈硬化のことではなくて、新型コロナウイルス感染症が重症化して亡くなることを指しています。新型コロナウイルス感染症の死亡リスクというと、基礎疾患が主とされています。基礎疾患の多くは生活習慣病の高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症など)を指しています。
実際のところ、何が大きく影響しているのかについては、北里大学の研究グループがアメリカの新型コロナウイルス感染症の大規模電子診療データを解析して、重症化リスクを増加させるものとして65歳以上、男性、肥満(BMIが30以上)、2型糖尿病の4要因について発表しています。自分事でいうと、65歳以上と男性は当てはまっていますが、努力の成果もあって肥満と2型糖尿病は当てはまってはいません。
日本人の標準体型はBMI22で、身長が170cmなら約63kgとなります。(ちなみに私の身長では59.5kgとなります)。BMI(Body Mass Index=体格指数)は体重(kg)を身長(cm)で2回割ることで求められます。
話を本題に戻すと、65歳以上、男性、肥満、2型糖尿病の一つが該当すると重症化リスクが3倍になり、4つの要因が該当すると最大で56倍までリスクが高まると発表しています。
この中で最も危険度が高いのは肥満で、特に男性は年齢や基礎疾患の有無に関係なく重症化リスクが15倍にも高まるとの報告がされています。BMIが30というのは身長が170cmでは体重が86.7kgとなります。私の場合になら84.7kgにもなって、今よりも25kgも体重がある状態となります。これだけの体重増では、重症化リスクだけでなく、他の要因でも死の危険性が高まるのは当たり前のことと感じてしまいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)