「ONとOFF」8 OFFの食品が人気上昇

食品を選ぶときに、どれだけ優れた成分が含まれているのかということが重視された時期があり、それを打ち出した商品が次々と登場しました。健康機能があるポリフェノールやコラーゲンがONされたものがよく売れるという状態で、何を加えるか、どれだけ加えるかが販売数に関わるという時代がありました。

それに対して、今の時代はONの前にOFFがあって、そこに後からONをするという形に変わってきています。カロリーOFF、糖質OFF、脂質OFF、塩分OFFの4つのOFFの食品があり、これが飲料ではアルコールOFFも加わって、どこまでOFFにすればよいのかという状況です。

カロリーはエネルギーの単位のことで、1kcal(キロカロリー)は1ℓ(リットル)の水の温度を1℃上げるために必要なエネルギー量を指しています。正確にいうと1気圧という条件の中でのことで、気圧が上がると同じエネルギー量でも温度が高くなります。

人間が摂取するエネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質だけで、カロリーOFF(カロリーが少ない)のものは糖質や脂質がOFFの状態になっています。塩分OFFはナトリウムが血圧を上昇させるので、減らすことによって高血圧を予防・改善することを目指しているわけです。

アルコールは栄養表示基準では糖質には含まれないものの、エネルギー量は高くて、1gあたり約7kcalとなっています。糖質が約4kcal、脂質が約9kcalなので、アルコールOFFはカロリーOFFにつながります。

アルコールがゼロではなくて、アルコール度数が低いということでOFFを使っているとしたら、多くの量を飲めば、それだけカロリーがONされていくことになります。OFFだからといって安心して多く摂ってもよいというわけではないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕