「ウコンは肝臓によいといわれても、苦くて、とてもじゃないが飲めない」と言われた時代がありました。ウコンはショウガ科ウコン属の多年草で、苦味があるといっても、春ウコンならお茶にしても粉末でも飲めないほどではありません。しかし、有効成分のクルクミンが多い秋ウコンになると春ウコンの6倍も含まれていて、色も春ウコンが黄色であるのに対して秋ウコンはオレンジ色になっています。春ウコン、秋ウコンという呼び名は花が咲く時期から来ています。
有効性が高いウコンほど飲みにくくなるわけですが、お酒の友のウコンの力は秋ウコンが使われ、クルクミンは30mgも含まれているので、普通なら飲めるようなものではありません。それなのに楽に飲めるのは環状オリゴ糖によってマスキングされているからです。飲みやすい上に、吸収性もよくなっているので、肝機能の低下が気になる人に選ばれています。
日本メディカルダイエット支援機構では、サプリメント・健康食品の講習を実施していますが、ウコンについては種類の違いがあることと、ウコンの機能性、それに追加して摂るべきでない条件についても説明しています。種類については春ウコン、秋ウコンの他に紫ウコンがあり、これにはクルクミンが含まれていないので紫っぽい白色となっています。
ウコンの機能性は肝機能の向上と一般に言われていますが、アルコールを分解することによって肝臓の負担を減らすのが主な働きとなっています。よく「飲む前に飲む」ということが言われますが、アルコールの分解がよくなることから、飲みすぎの傾向がある人は飲酒の前に摂ると、かえって飲みすぎになって悪酔いする可能性が指摘されています。それが心配な人は、「飲んでから飲む」というタイミングとなります。
ウコンは誰もが摂って効果があるものなのかというと、そうとは言えないこともあります。飲酒をしない人が肝機能によいということを聞いて、摂ることによって肝臓に負担をかけることもあります。ウコンは漢字では鬱金と書かれる漢方薬の素材となっています。漢方は身体に優しいような印象があるものの、薬であることには違いがなく、これを分解するために肝臓に負担がかかります。健康食品を摂ることで健康被害が起こった人の報告例で最も多いのはウコンです。これを見て、危ないものと主張しているというよりも、それだけウコンが多くの人たちに期待され、使われているということです。
高齢者は肝機能が低下している人が多くなっています。そもそも日本人は歴史的な食事によってコレステロールが少ないことから、肝臓に必要なコレステロール不足から肝機能が低く、年齢を重ねると肝臓が小さくなっていきます。加齢によって肝臓が小さくなるのは、どの国民も同じですが、日本人は特に小さくなりやすいのです。さらに女性は、男性よりも小さくなりやすいので、肝機能によいと聞くと飛びつく傾向が見られます。
飲酒しない人の場合にはタウリンがよい、オルニチンがよいなどと言われますが、根本的な解決のためにすすめられるのは三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。これらを補給することで、細胞のミトコンドリアで作り出されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)によって肝細胞の分解能力が高まります。肝細胞が分裂して再生されていくときのエネルギーもATPです。
ウコン、オルニチン、タウリン、α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。