サプリ概論191 健康食品の原価率

健康食品は今から20年以上前に大きなブームの波があったときには、新たな素材、新たな有効性が打ち出されて、このような商品が注目されていたこともあって、価格は高めでした。通信販売で最も売れている価格帯は1か月分で8000円から1万2000円でした。これよりも安くても高くても売れないということで、その範囲で利益が出るように販売価格に対する商品の原価が厳しく精査されていました。
販売価格に対して商品代が低ければ利益幅は大きくなるものの、それでは品質が低下して、実感も得られなくなるということで、価格と有効性、継続するための利益の割合が追求されてきました。広告費は通信媒体(テレビ、ラジオ、ネット)の価格が今よりも高かった時代の話ですが、この媒体費は3.11(東北大震災)からの経済状況を反映して随分と下がってきました。
もともとの適正な割合とされたのは、商品代が30%、宣伝費が30%、管理・発送代が20%、残りの20%が収益で、これを合わせた100%が販売価格となっていました。
その当時は、健康食品のパッケージが大きく変化した時代です。以前は粒状の商品は瓶入りで、キャップも高級感のある金色が使われ、これを豪華そうに見える包装箱に入れて販売されていました。長く使い続ける(買い続ける)と高級そうな入れ物が溜まってくるので勿体無いという話が出るほどで、それを反映してアルミ包装が登場しました。初めはビンを捨てずに、アルミ包装の中の商品を入れ直して使うということもありました。
容器代に余計な費用をかけずに、中身を充実させた、などという謳い文句がありましたが、今ではアルミ容器が当たり前になって、SDGsではないですが、ビン入りで販売されていたことも忘れられる時代となっています。それでも商品代は販売価格の30%という昔ながらのルールを守って、長く販売している商品もあります。