サプリ概論200 機能性表示食品は誰にも効果があるのか

機能性表示食品は、一般の健康食品とは違って、表示する機能の裏付けとなる試験研究結果を消費者庁に届け出ています。その内容は消費者庁のホームページに掲載されています。前回のサプリ概論では、ブラックジンジャーを用いた機能性食品を例にして、「BMI23〜30の人の内臓脂肪と皮下脂肪を減らす」ということを紹介しました。
BMI(Body Mass Index)は体格指数のことで、日本人で最も健康状態が高いのはBMIが22だとされています。BMI23以下の人でもBMI30以上の人でも試験は行われていないということですが、この範囲にある人なら、使用して同じような結果が得られるのかというと、そうとは限りません。
というのは、機能性表示食品では試験の対象としてはいけない対象者がいて、これは特定保健用食品(トクホ)でも共通していることです。その対象にならない人というのは、子ども(未成年者)、妊産婦(妊娠を計画している人)、です。身体機能が低い子どもは試験によるダメージが想定され、もしも妊娠していた場合には胎児に影響が出ることが想定されるからです。
このことは機能性表示食品のパッケージや販売関係の資料(チラシやカタログ、ホームページなど)には一般には掲載されていません。
もう一つ対象者にならないのは、疾病に罹患している人です。疾病がある人というのは、血圧でいえば収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または収縮期血圧(最小血圧)が90mmHgの高血圧の人を指しています。
機能性表示食品の試験は、まずは対象者に疾病がないのかを確認することから始まります。疾病がない人が、機能性表示食品が期待する有効性の数値に異常がないことだけでなくて、他の疾患もないことが必要です。血圧安定を想定した商品であっても、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値だけでなく、尿酸値、肝機能、腎機能などにも異常がない、いわば完全な健康体の人となります。
こういった条件があるのに、機能性表示食品を使おうと考えている人は、検査数値が引っかかって、病院に行くほどではないという自分なりの判断で使うことがあります。中には医療機関で診断されたのに医薬品を使う代わりに機能性表示食品を使う人もいます。さらには医薬品を使っているのに、その量を増やしたくないからと機能性表示食品を使っている人がいることも事実です。