骨密度を高める健康食品というと、骨粗鬆症の予防ができる、これが機能性表示食品であれば骨粗鬆症が改善できることを期待してしまいがちですが、実際には予防効果もなければ、骨粗鬆症の治療効果もありません。あったとしても、これを表示して販売することは法律の規制があってできません。しかも誰にでも効果はあるわけではなくて、ある機能性表示食品を例にすると、「健康な閉経後の女性の骨密度を高める」という機能となっています。
「健康な」というのは、機能性表示食品は病気のレベルまで進んだ人を対象にすることはできなくて、この場合でいうと骨粗鬆症という病気の人を対象とすることはできません。
健康な閉経後の女性を対象とした試験は、閉経後には女性ホルモンのエストロゲンが減少して、骨密度が低下することが知られているからです。この骨密度を高めるという結果は、機能性関与成分の枯草菌を含んでいる製品の錠剤を摂取した女性と、含まない錠剤のプラセボを摂取した女性を比較したものです。試験対象者は健康な閉経後女性(50〜69歳)76人を38人ずつ2群に分けて、本製品とプラセボを、それぞれ24週間摂取しています。
全員が最後まで継続したわけではなくて、脱落者は7人いて、試験期間中に抗生物質を使用した8人も合わせて計15人が除外されています。残った61人が製品群31人、プラセボ群30人で試験が行われました。
その結果として、摂取24週間後に大腿骨の骨密度が変化率が有意に上昇したということです。結果が出たのは6か月後ということで、効果を実感しようとしたら、半年は使い続けないといけないというわけですが、その事実を知らずに、途中でやめてしまう人も多いであろうと思います。