Medical Diet128 ストレッチしながらの深呼吸で自律神経調整

メディカルダイエットは、自律神経をコントロールすることによってエネルギー代謝をコントロールすることを基本としています。自律神経の交感神経は身体機能を亢進させる自動車のアクセルのような働きをしていて、副交感神経は身体機能を抑制させるブレーキのような働きをしています。交感神経の働きが盛んになると副交感神経の働きが抑えられ、それとは逆に副交感神経の働きが盛んになると交感神経の働きが抑えられるという関係になっています。
若いときには、交感神経と副交感神経が交互に働きが盛んになり、波のように繰り返しながら大きく切り替わっています。ところが、年齢を重ねるにつれて副交感神経の働きが低下して、抑制が効きにくくなり、興奮状態が長く続くようになります。そのために休んでいる割には心身ともにリラックスできない、眠っていても熟睡が得にくくなり、疲れが取れにくいということも起こります。
副交感神経の働きをよくして、リラックスするには深呼吸がよいと以前から言われてきました。そのメカニズムも解明されて、呼吸に反応する脳の扁桃体は呼吸が早くなると身体が興奮状態になったと判断して、交感神経が強く働くようになり、血管が収縮して血流が低下することから心拍数が上昇します。これとは逆に呼吸が遅くなると扁桃体が沈静化して、血管が拡張して血流が高まることから心拍数が降下します。
そこで深呼吸がすすめられるわけですが、深呼吸をしても思ったよりも肺の中に酸素は入ってきません。肺は独立した袋のようなもので、自力では動くことができません。動かして酸素を多く取り入れて、呼吸数を減らすためには肺の周りの筋肉を動かすことが必要になります。これは呼吸筋と呼ばれ、15種類の筋肉の総称です。
肺を動かすためには胸を開く、肩を上下させるといった運動が必要で、その動きに合わせて酸素が取り込まれ、酸素が充分にあることで扁桃体が副交感神経の働きを盛んにするように働きかけます。このことによって、副交感神経の働きを盛んにして、心身ともにリラックスするように働きかけることができるというわけです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)