ホップというとビールの苦味の成分となっているアサ科のツル性植物で、ビールの原料となっているのはホップの受粉前の雌株の毬果です。
このホップを熟成させた苦味酸は注意力の精度を向上させる機能があるとのことで、機能性表示食品に使われています。集中力はストレス社会を生き抜くためには欠かせないもので、それが機能性表示食品を摂ることで高まるならと期待も高まるところです。どのような機能が実際にあるのか、どんな人が試験対象の結果なのかを知っておかないと、期待する機能が得られないことにもなります。
製品に表示されているのは、熟成ホップ由来苦味酸には「加齢により低下する認知機能の一部である注意力(集中して複数の視覚情報を同時に判断して処理する能力)の精度の向上に役立つ機能が報告されています」との機能です。
製品そのものを使って試験を行った場合には「機能があります」と表示できるのですが、研究論文を裏付けとして届出をする場合には「報告されています」と表示することが決められています。この製品は研究論文を裏付け資料としているわけです。
どのような試験であったのかというと、「健常な中高齢者が熟成ホップ由来苦味酸を含む食品を摂取した場合、含まない食品を摂取した場合と比較して注意力(分配性注意・注意の変換・注意による認知機能の制御)の精度が向上するかを検証する」という試験です。
具体的には、1日に35mgの熟成ホップ由来苦味酸を含む食品摂取群と、含まない食品群(プラセボ群)に分けて、45〜69歳の認知機能の低下を自覚する健常な中高齢者(100人)が12週間連続摂取して効果を比較する試験方法です。その結果、注意力の指標が有意に向上したとのことで届出がされています。