サプリ概論258 機能性表示食品の事後チェックの透明性10

3 打消し表示
機能性表示食品の表示においても、打ち消し表示が行われる場合があります。打ち消し表示が強調表示と同一視野に記載されていなかったり、同一視野であっても離れた箇所に記載されていたり、隣接した箇所に小さな文字で記載されるなど、強調表示と一体として認識されない表示方法である場合には、景品表示法上の問題となるおそれがあります。

また、打ち消し表示の内容についても、それが打ち消し表示として理解されない場合、記載自体が一般消費者に認識される表示方法で記載されていても景品表示法上の問題となるおそれがあります。

特に、体験談については、これに関連する「個人の感想です」等の表示が一般消費者に認識されるものであったとしても、体験談で示された効果に係る打ち消しの効果は認められないことに充分に留意し、体験談に表示されている内容が届け出された機能の範囲を逸脱していないかを充分にチェックする必要があります。

4 誤認される「表示」の判断
一般消費者に義認される表示かどうかは、特定の文言、写真等のみから一般消費者が受ける印象、認識から判断されるのではなく、各表示の要素によって構成される表示全体から一般消費者が受ける印象、認識から判断されます。

例えば、過去の景品表示法違反事例に鑑みると、届け出された機能性の内容が「肥満気味の方の内臓脂肪を減らすのを助ける機能性がある」であるにもかかわらず、構成される全体表示から、あたかも特段の運動や食事制限をすることなく、誰でも容易に腹部の痩身効果が得られるかのような印象、認識を一般消費者が受けるものと判断される場合は、届け出された機能性の範囲を逸脱したものとして景品表示法に違反することとなります。

また、機能性表示食品に係る効果について、さまざまな要素を多用することによって、一般消費者に届け出された機能性の範囲を逸脱した効果が得られるとの認識を強く印象づけるものとなっている場合は、打ち消し表示が隣接した場所に明瞭に記載されていたとしても、効果に関する認識を打ち消すことにならないことがあり得ることに留意する必要があります。

さらに、表示の受け手に対して顧客誘引効果を持つものか否かの判断は、客観的になされるものであり、事業者の主観的意図では判断されないことに留意する必要があります。