サプリ概論263 医薬品から食品にもなった代謝促進成分

代謝促進成分というのは全身の細胞の中でエネルギーを作り出すために必要な成分のことで、広義の意味ではビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂といった4種類のビタミンB群も含まれます。狭義の意味ではコエンザイムQ10、L‐カルニチン、α‐リポ酸があげられます。これらの3種類の代謝促進成分は、以前は医薬品の成分でした。

それが規制緩和によって、食品の成分としても販売が許可されました。それは厚生労働省による食薬区分の変更によるものです。

初めの医薬品の成分から食品の成分として許可されたのはコエンザイムQ10で、2001年(平成13年)のことでした。

次に認められたのは2002年(平成14年)のL‐カルニチン、2004年(平成16年)のα‐リポ酸でした。

ただ、食品としての使用が認められる成分が増えただけでなく、この動きと前後して2002年(平成14年)にサプリメントアドバイザリースタッフの通知が厚生労働省から発せられました。

健康食品の拡大に合わせて、健康食品の正しい知識と選び方、使い方を消費者に伝える役割の専門家で、当時はサプリメントアドバイザリースタッフとなっていました。この通知の名称に合わせて、初めて資格認定講習を実施した日本臨床栄養協会はサプリメントアドバイザーの認定名を使いました。

現在は保健機能食品等のアドバイザリースタッフと通知の名称が変わっていますが、これは健康食品のうち機能を示して販売できる特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品を合わせて保健機能食品と呼ぶようになったからです。

代謝促進成分は、今ではサプリメントに普通に使われるようになっていますが、ダイエット素材として認識されることが多く、生命維持の基本であるエネルギー代謝を進める成分という認識は、あまり抱かれていないようです。