サプリ概論70 免疫に作用する素材4

免疫強化作用のある素材のうち、今回は冬虫夏草、プロポリスを紹介します。
冬虫夏草は冬を地中で越す昆虫の幼虫やサナギに胞子が寄生し、夏に子実体が地上に生えるキノコです。漢方で生薬に使われる冬虫夏草はコウモリガの幼虫に寄生したキノコで、中国四川省の高地、チベット高原などで収穫されます。動物性の成分を栄養源としている他にない特徴から、コルジセピン、ウラシル、ウリジン、アミノプリン、エルゴステリンなどの特有の活性物質によって、免疫強化、疲労回復、心肺機能の強化などの作用があります。
プロポリスはミツバチが樹木から集めた樹脂とミツバチの分泌物の酵素が合成されたハチヤニと呼ばれるワックス状の物質で、巣の出入口や隙間などに塗ることによって雑菌やバクテリアなどから巣を防御しています。プロポリスは3万~5万匹のミツバチの巣箱から、年間わずか40~60gしか採取できません。プロポリスの名称は、ギリシャ語のpro(前の)とpolis(都市)が合体した言葉で、巣を都市に見立てて、その前を守る物質という意味です。東ヨーロッパ諸国では古くから抗菌・消炎・鎮痛作用があることから、天然の抗生物質と呼ばれて、民間療法として広く使われてきました。色素成分のフラボノイドが豊富に含まれ、免疫を高める作用とともに、毛細血管を強化して血流を促進する作用があり、抗炎症作用、鎮痛作用、抗真菌(カビ)作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、抗酸化作用、肝臓保護作用、抗糖尿病作用、放射線防御作用、抗喘息作用、毛細血管強化作用、抗アレルギー性、細胞活性作用、精神安定作用などが認められています。