タクティシャン10 四苦八苦の解釈

戦略参謀としての面談をしていると、四苦八苦のことを“死苦八苦”と勘違いして、死ぬような思いをする八つの苦しみがあり、それくらい自分は苦しんでいるという“苦しみ自慢”をする経営者がいます。それだけ頑張ってきたことを話し、もっと頑張って苦しみたいということを目を輝かせて滔々と話してくる人もいます。

四苦八苦のことを「四苦×八苦」と考えて32もの苦しみがあると思い込んでいた人がいて、その人に対して「四苦+八苦」で12の苦しみでしかないと説明するコンサルタントもいました。実際の四苦八苦は32でもなければ12でもありません。「四苦+四苦=八苦」が仏教的な正解です。

四苦八苦の四苦は生・老・病・死の生きている限り避けることができない苦しみのことで、この他に愛別離苦(愛する人と別れなければならない苦しみ)、怨憎会苦(憎しみあうものと会わなければならない苦しみ)、求不得苦(求めて得られない苦しみ)、五蘊盛苦(激しい欲望に燃え盛る肉体を持って生きていくことの苦しみ)の四苦があり、合わせて八苦です。

五蘊盛苦はわかりにくいので、少しだけ追加説明すると、身体のすべての働き(五蘊)が盛んであるが故に苦しみが次から次へと湧き上がってくることを指していて、自分の心や体が思い通りにならない苦しみと言い換えることもできます。

調子よく進んでいると、自信を持ってもっと進めたい、拡大させたいと考え、拡大こそが自分の価値を高めることになるということを、それこそ自信を持って発言する経営者がいます。これは当たり前のことかもしれませんが、そのための苦しんでいることを誰もわかってくれないと嘆き、その苦しみを訴えてくることもあります。

そのような場面では、「それが五蘊盛苦であり、その苦を自覚しないと、さらに求不得苦になる」と伝えています。苦しみは自分が生み出していることに気づかないと、八苦のすべてを味わうことにもなりかねません。

それに続けて、「苦しむことは悪いことではない。苦しみを感じないと生き地獄を生きているうちの極楽に変えられない」という話もしているのですが、それについては次回のテーマとします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕