ツイン・ウォーク65 肥満改善の効果的な歩き方

肥満はBMI(Body Mass Index:体格指数)が25以上になった場合を指しています。BMIは体重(kg)を身長(m)で2回割ることで求められます。最も健康的なBMIは、日本人の場合は22とされています。

肥満は体重が多いだけでなく、体脂肪が過剰に蓄積された状態で、糖尿病や脂質異常症、高血圧、心血管疾患などの原因となることから、体脂肪を減らすことが求められています。

体脂肪は脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪で、運動によって血液中の脂肪酸が減ってくると、脂肪細胞の中性脂肪が分解されて、脂肪酸が血液中に放出されます。脂肪酸をエネルギー化するのは酸素を消費する有酸素運動で、その代表といえばウォーキング、つまり歩くことです。

歩き始めて10~15分間は、すぐにエネルギーになるブドウ糖が主に代謝していて、脂肪酸の代謝量は少なくなっています。その割合は、ブドウ糖60%:脂肪酸40%くらいとされています。ブドウ糖が主にエネルギーとなるのは時間が限られているため、10~15分を超えると、次には脂肪が多く代謝するようになります。その割合はブドウ糖35%:脂肪酸65%くらいとなります。

脂肪酸は長く代謝し続け、大きなエネルギーを作り出すことができます。歩き始めてから少なくとも10分を超えないと脂肪の代謝は盛んにならないため、歩く時間を30分間にすれば20分間ほど、40分間なら30分間ほど脂肪を代謝させることができます。

長めに歩くと脂肪が多く代謝するといっても、ゆっくりと歩いたのでは消費エネルギー量は、それほど多くはなりません。脂肪代謝が効果的に行われ、しかも疲れにくくて続きやすいのは、時速7kmほどでスタスタと勢いよく歩いたときです。

中性脂肪は食品に含まれている脂肪で、脂肪酸が多くなると肝臓で中性脂肪に合成されます。この中性脂肪を細胞の中で脂肪酸に分解するのはリパーゼという酵素です。

リパーゼは筋肉細胞の中に多く含まれていますが、リパーゼは血流が盛んになって温まることで分解の効率が高まっていきます。歩き始めてから脂肪が代謝するまで10分以上かかるのは、筋肉が温まるまでの時間でもあるわけです。

運動を終えてからも、筋肉が温まっている間はリパーゼが活性化していて、30分間ほどは徐々に効率が下がりながらも脂肪の代謝は続いています。体脂肪の減少を目指すなら、この運動をしなくても代謝が進む時間を有効に使いたいものです。

運動後に入浴をして筋肉が温まりすぎるとリパーゼの働きは低下します。リパーゼは働きやすい温度帯があります。そのため、運動直後にはシャワーだけにしておきます。シャワーなら身体の表面を温めるだけで、筋肉の温度を高めるほどではありません。そして、30分たってから入浴するのが効果的な方法といえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕