α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10というと、またサプリメントの効能効果の話か、と言われそうですが、今回はヒトケミカルとしての話です。この3成分はダイエットサプリメントの主要成分として有名になったのは事実です。
α‐リポ酸にはブドウ糖を細胞内のミトコンドリアに取り込む働きがあり、L‐カルニチンには脂肪酸を取り込む働きがあり、コエンザイムQ10にはミトコンドリアの中でブドウ糖と脂肪酸の燃焼を補助する働きがあります。これらの働きによって糖と脂肪の代謝が盛んになります。「だからダイエット効果が高まるのですね」というのがメディアの反応です。
この3成分はヒトケミカルとも呼ばれています。体の中で合成されていて、その含有量は20代をピークに減り続けていきます。どれも以前は医薬品だったのが、今では食品に使えることになり、サプリメントの成分となりました。一般にサプリメント成分は機能性があっても、摂らなければ生命維持ができないというものではありません。それに対してヒトケミカルは不足したのでは充分なエネルギーが作られなくなり、なくなってしまったら生命維持ができなくなるというものです。
ヒトケミカルが重要なのは、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を多く作り出すのに欠かせないということです。ATPは細胞の働きを高めて、内臓の活性化のため、体温維持のため、脳神経を働かせるため、そして免疫を高めるために必要となります。いくら体を動かしてもヒトケミカルが不足していたらエネルギーが充分には作られなくなり、エネルギーを充実させて活動することができなくなります。
どんなサプリメント成分を摂るよりも、ヒトケミカルは大切であり、充分にエネルギーが作られていれば薬の効果を高めることや、有害物質を排泄する能力を高めることも可能になるということで、これこそ不足を補う“サプリメント”そのものだ、という話をメディアにもしています。