フードバンクには安心できる食品を贈ろう

フードバンクの活動を見せてもらうたびに思うことがあり、集まってきた加工食品のパッケージを見せてもらっています。引っくり返して裏側をまじまじと見ていると、大抵は賞味期限について説明されます。まだ賞味期限が2か月以上残っているので大丈夫、ということを言われるのですが、私が見ているのは賞味期限ではありません。見ているのは原材料名です。
原材料名の表示は、その名のとおりで、加工食品に含まれている原材料の食品が書かれています。その順番は五十音順でも、食品のリストの掲載順でもなくて、使われている原材料の重量の順です。例えば、茹で小豆であれば、小豆の加工食品なのだから小豆が最初に書かれているかと思ったら、ほとんどのものは砂糖が一番で、次に小豆となっています。砂糖のほうが多いというのは消費者の感覚からすると予想外かもしれませんが、その予想外が通常の状態になっていることは多くの食品の原材料名の表示を見ればわかります。
砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合したものですが、果糖のほうが甘味は強いので、砂糖の他に果糖が使われたものがあります。砂糖を加工して製造した「ぶどう糖果糖液糖」と「果糖ぶどう糖液糖」というものもあります。より甘いのは果糖ぶどう糖液糖のほうです。甘くするだけなら砂糖はいらないのではないか、という疑問も湧いてくるところですが、砂糖は甘くするだけでなく、防腐作用、水分保持作用があるので、腐りにくくしたり、適度な水分量を保ち、食感を軟らかくするためにも使われているのです。
使用されている添加物については原材料名と別に表示するか、原材料名に続いて表示することになっています。もしも食品添加物が多く使われているものがあっても、表示からは使用量を知ることはできません。食品添加物は安全性が確認されたものしか使われていないのですが、安全性試験は単品だけの試験であって、組み合わせた場合の危険性は調べられていません。
そんなこともあって、フードバンクは有難い存在と思っていても、表示を見て、持ち帰ることを躊躇する人も少なくありません。フードバンクのスタッフが選別して渡すのも一つの方法ですが、フードバンクに持ち込む善意の方々にも、原材料や食品添加物の知識をもって、どうせプレゼントしてくれるのなら、受け取るほうが安心して食べてもらえるものを選ぶようにしてほしいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)