メディカル×ダイエット7 アジア人の中でも日本人は違う

日本人は人種的にはアジア人で、東アジアの中国や韓国、モンゴルなどの人とは顔形が似ているところから機能的にも体質的にも同じように考えられがちですが、大きく違っているところがあります。日本人以外は北方系で、寒さに対応するためにエネルギー代謝が盛んになっています。

北方系の人は寒い中で、肉食を続けてきたことから、脂肪を効果的にエネルギー化する能力が高く、多くのエネルギーを使って体温も高くなっています。体温の高さは血液温度の違いにもなり、日本人の平均の血液温度の37℃よりも1℃ほど高くなっています。

血液温度が1℃ほど高いのは欧米人も同じで、これも食事で脂肪が多い獣肉を食べてきたところが共通しています。脂肪を分解する能力も高く、エネルギー化しやすいわけですが、これ以上に健康面で考えると大きな特徴があります。

それは血液中の脂肪の溶解で、血液温度が高いと、獣肉の脂肪も溶けやすく、血流もよくなります。というのは、獣肉は40℃以上になっていて、欧米人や北方系のアジア人では血液中で溶けている脂肪が、血液温度が低い日本人の場合は固まりやすく、血流も低下しやすくなっています。それが日本人に血管の疾患が多いという弱点を引き起こしています。

中国は広大なことから寒いところから暖かなところまで環境としては大きな差はあるものの、現在の漢民族(全人口の90%超)の多くは北方系です。

アメリカは多民族国家であり、さまざまな人種によって身体的な特徴が異なり、健康面での弱点も違えば、健康法による効果も違うことを前提として研究が進められています。そのため、健康に関する調査でも、民族の違いは重要な項目で、研究発表の詳細を見ると日本人はアジア人の範疇でも東アジア人の範疇でもなく、日本人だけ特別に取り扱われています。

すべての調査ではないものの、日本人は特徴的な身体構造、体質であることを踏まえて、日本人に適した健康法を提供しなければならないのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕