栄養素の吸収率は重要な問題です。ミネラルのカルシウムの吸収率は約30%です。鉄は動物性食品に含まれるヘム鉄は15〜25%の吸収率があるものの、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は1〜5%となっています。「食品に含まれるミネラルが多ければ、それだけ多く吸収される」という考えは間違っている、という記事を週刊誌に載せた編集者から、サプリメントの吸収率についての問い合わせがありました。
カルシウムはビタミンDやクエン酸と一緒に摂ると吸収率が高まります。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まり、たんぱく質と一緒だと、さらに高まります。このように条件によって吸収率は異なるのですが、サプリメント素材も同様です。
三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は代謝に必要なもので、食品には含まれているものの量が少なく、さらに吸収率は性質によって大きく異なります。コエンザイムQ10の吸収率は1%ほどです。脂溶性の性質があり、食事の後に摂っても、この低さです。空腹時に摂ったら吸収されないと考えて間違いありません。L‐カルニチンはたんぱく質とともに摂った場合の吸収率は15%ほどとなります。α‐リポ酸は空腹時では30%ほどが吸収されるといわれます。
三大ヒトケミカルは医薬品としてしか使用できなかったのが食薬区分の変更によって、食品としても販売することが許可されたものなので、吸収率の条件がよい状態であるにも関わらず、このような数字となっています。
詳しくいうと波風が立つこともあるのですが、健康食品の素材によっては加工法によって、まったく吸収されないものまであるので、摂取のタミングとともに加工法も重要です。