代謝と糖尿病19 血糖改善の食事のポイントその3

◎アルコールの制限
糖尿病の場合には、アルコール飲料は原則として禁止されます。その理由は、エネルギー量が1gあたり約7kcalと高く、吸収されやすいので血糖値が上昇しやすいことに加えて、食欲が進むために食べすぎの原因にもなるからです。

血糖値があまり高くない人の場合には、条件つきで1日に160kcalほどの飲酒が許されることもあります。その量はビールではコップ(180cc)で1杯半、日本酒ではコップに3分の2ほどです。飲酒で摂るエネルギーの分は、ご飯を減らすといったように摂取エネルギー量の調整をする必要があります。

飲酒の条件は、「体重が標準体重以下であること」「肝臓病や膵臓病、合併症がないこと」「ビタミン、ミネラルが充分に摂れていること」「決められた飲酒量で止められる意志があること」。これらの条件がすべてかなえられている人にのみ飲酒が許可されます。少ない量では物足らないという場合には、数日分をためておいて飲むという方法もありますが、一度に多飲するのは避けます。飲酒は血糖値を急に上昇させやすいだけに、できれば控えるようにしたいものです。

◎甘いものの制限
菓子類や清涼飲料には、砂糖が多く含まれていて血糖値が上昇しやすいので、控えるようにします。清涼飲料は冷えていると甘さを感じにくいものの、常温で飲むとかなり甘く、砂糖が多く含まれていることがわかります。飲料では、糖質が特に吸収されやすい形となっているので、注意が必要です。

◎規則正しい食生活
一度食事を抜くと、その次の食事は空腹感を満たすために食べる量が多くなり、食べすぎになるため、血糖値も上昇しやすくなります。1日3食を規則正しく取り、できるだけ3食が同じような分量になるようにします。理想の3食のバランスは、朝食3:昼食3:夕食4の割合とされます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕