マラソンは競技大会でなくて市民参加であっても時間の記録はつけられます。時間の記録があるということは順位もつけられるということで、勝ち負けの世界となります。
それに対してウォーキングは順位もなければ時間の記録もつけられません。ウォーキング大会に参加しても、一般の健康づくりが目的の場合は歩行距離が書かれた完歩証が出るだけで、記録に当たるものは書かれていません。これは市民スポーツの伝統からきていることです。
市民スポーツというのは「勝ち負けのないスポーツ」のことで、1968年にドイツ、スイス、オーストリア、リヒテンシュタインによって国際組織の国際市民スポーツ連盟が結成されました。現在は50か国を超えています。
国際市民スポーツ連盟が定める運動の種類は、ウォーキング、サイクリング、スイミング/アクア・ウォーキング、スキーイング/スノーシューイング、スケーティング、インライン・スケーティング、ローイング/カヌーイング/カヤッキングの7種類です。
我が国では日本市民スポーツ連盟が国際市民スポーツ連盟に加盟しています。国際市民スポーツ連盟の“傘下”ではなくて、大きな国際運動に“参加”しているという感覚です。とはいえ、日本市民スポーツ連盟は組織的には国際市民スポーツ連盟に加盟しているものの、独自に活動をしていて、その中心はウォーキングです。
日本市民スポーツ連盟は日本ウオーキング協会(ウォーキングではなくてウオーキングが固有名詞)と連動して活動していて、歩行距離を認定するためのコース認定をしているのは日本市民スポーツ連盟です。歩いた距離を重視するので、時間も順位も関係がないということで、誰が優位ということもなり、誰でも、いつでも楽しめるスポーツとなっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)