健康デザイン37 2025年問題と2040年問題

2010年に超高齢社会(高齢化率21%以上)となり、現在の高齢化率は29.1%になっています。2024年には30.0%。2040年には36.3%にも達すると予測されています。高齢化に伴う地域住民の健康度が低下する中、さらに3年に渡るコロナ禍が健康度の低下に拍車をかけました。

岡山県の平均寿命は女性が第1位(88.29歳)、男性が第10位(81.90歳)と長寿を誇っているものの、元気で過ごせる健康寿命と平均年齢の差は男性が9.62歳、女性が12.25歳と全国平均を下回っています。

2025年は以前から懸念されてきた我が国の社会構造の大きな分岐点です。全人口の30%以上が高齢者(65歳以上)となり、団塊の世代(約800万人)が75歳以上の後期高齢者となる年です。これまでとは異なる厳しい対策が必要になることから「2025年問題」と呼ばれています。

2025年には、これまで急激に延びていた高齢者の人口増は緩やかになっていくものの、生産年齢人口(20〜64歳)は大きく下がっていくことから国全体としての生産能力も今以上に大きく低下していきます。

その15年後の2024年には高齢化率は35.3%に高まり、生産年齢人口は約1000万人の減少になることが予測されています。これも危機感を持って「2040年問題」と呼ばれています。

この予測もコロナ禍の影響による健康度の低下、外国人労働者の減少などが加味されていないもので、現役世代の負担は今以上に大きくなることは明らかです。そのときに、どのように健康の維持・増進を図るかは、高齢者が高齢者を支えなければならない時代には大きな問題であり、その側面支援として各自に合った健康法を見出す健康デザインが重要であると認識しています。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕