健康食品 敵か味方か68 グルコサミンが効かないという理由

膝の痛みの解消のための健康食品素材といえば、グルコサミンとコンドロイチンがあまりに有名です。膝関節の軟骨の成分であって、不足すると軟骨がすり減り、神経が刺激されることから痛みが生じます。

これを補うことで軟骨を再生させて痛みを解消することを目的として使われますが、「グルコサミンが効かない」という声は以前から聞かれ、今も質問を受けることが多くなっています。その質問の内容は、「効果のあるグルコサミンを教えてほしい」というのがほとんどです。

グルコサミンを摂って、よかったという人の声を聞いて(コマーシャルや口コミなど)、自分でも試してみたけれど効果を感じられないというもので、商品選びが違っていたのかと思って、効果を感じた人と同じものを購入しても効果を感じられなかった、という声もあります。

こういったときには、摂取量や摂取タイミングを考えることになるわけですが、考えようとしても健康食品には、どれくらいの量を摂ればよいのか、いつ摂ればよいのかということは商品パッケージにも広告にもチラシなどにも書かれていません。

というのは、医薬品的な効能効果を表示することは法律で禁止されていて、それは機能性表示食品や特定保健用食品でも同じことです。グルコサミンで言えば、歩行能力の向上を助ける機能、歩行速度を維持する機能などであって、膝の痛みを軽減させるという医薬品的な機能を表示することはできません。

また、摂取タイミングも、対象者による摂取量も表示ができるのは医薬品だけです。
グルコサミンは医薬品にも使われている成分で、医薬品は食後に飲むものという印象があるため、健康食品としてのグルコサミンなどが含まれたものは食後に摂る人が多くなっています。

しかし、グルコサミンもコンドロイチンも食後に摂ると吸収率が低下します。どちらの成分も粘度が高くて、食べたものが胃の中にあるときに摂取すると接着役となって、グルコサミンもコンドロイチンも高分子状態になります。高分子状態では吸収されないので、食後に摂っていては、どの商品であっても効果が出にくくなるのは当然のことです。だから、グルコサミン、コンドロイチンの商品は空腹時に摂るのが正解ということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕