健康診断を受けて、その結果に合わせて的確な健康づくりのアドバイスを受けることができるなら、健康診断の意味合いもあり、信頼度も高まり、受診したいという人が増えることは普通に想像することができます。
そして、受診した結果が自分の望んだことであっても、望まなかった悪い結果であっても、その後の行動を起こす人が増えていきます。望んだ結果であった人は、その状態を維持しようとして健康を気づかった生活をしようとします。望まなかった結果であった人は、改善しようと努力をします。
そのような人は多いこと、多くなっていくことを願ってはみるものの、実際には健康面でプラスになることを始めるのではなくて、医師への受診をしない、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった放置しておくと、症状が悪化するばかり、時間が経過するうちに手遅れになるということであっても、受診をしない人も少なくありません。
初期段階では自覚症状がない(ほとんど、というよりも、まったくない)生活習慣病では、健診で糖尿病が指摘されて医療機関で受診するのは35%ほどでしかないという調査結果もあります。気づいて慌てて受診をするのは合併症が現れて、手遅れになってからということが多いのです。
健康診断でリスクが指摘されたときに、医療機関を受診する人を増やすためには、健康診断の結果が出てからでは遅いので、もっと早く、できれば健康診断の前に生活習慣病のリスクを伝えておくことが大切になります。
自分の健康状態を維持するためには、いかに自分に適した健康法が必要であるかを知って、それを阻害するのが生活習慣病であることを知っておくことが重要です。そういった意味から始めるのが、自分の健康を自分でデザインする「健康デザイン」の考え方です。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕