健康リテラシー13 数字でわかる血管保護の重要性

生活習慣病は、肥満症、高血圧症、糖尿病、脂質異常症とも血管にダメージがあると説明しても、どれも初期段階では自覚症状がないだけに、真剣には考えてくれない人も少なくありません。そこで、血管についての情報も併せて伝えて、重要性を伝えるようにしています。

全身に張り巡らされている血管の総延長は地球2周半(10万km)にも及んでいます。全身の血管のうち99%は毛細血管となっています。血管は部位によって太さが異なっていて、最も太いのは心臓から送り出された血液が通過する大動脈で、25〜30mmの直径があります。これは500円玉の直径(26.5mm)に相当します。

丈夫な血管がある一方で、一般的な血管(動脈、静脈)の太さは0.5mmで、これはシャープペンシルの芯の太さに相当します。毛細血管は8μm(1μmは1000分の1mm)で、これに相当するのはクモの糸という極めて細い存在です。

心臓から送り出された血液は、秒速1mほどの速度で進んでいきます。平均すると心臓まで30秒で戻ってきます。それだけの勢いにするために、心臓は強いポンプ作用で血液を送り出して、高い血圧となります。

正常血圧の範囲は、収縮期が130mmHg未満、かつ拡張期が85mmHg未満となっています。高血圧は、収縮期が140mmHg以上、または拡張期が90mmHg以上です。血圧計はデジタル式では数字が表示されるだけなのでイメージしにくいところがありますが、以前は盛んに使われていて水銀式血圧計では目盛によって目で確認することができました。

水銀の比重は水の13.6倍です。血液の比重は1.05倍ほどなので、ほぼ水と同じです。正常な収縮期血圧の130mmHgであっても、1768mm(176.8cm)となっています。つまり、吹き出した場合には身長を超えるような勢いが常に動脈にかかっているのです。

心拍数は1分間に60〜80回で、1回の拍動ごとに60mlの血液が送り出されています。1日にすると約10万回も動脈に圧力がかかっています。正常な状態でも、これだけの負荷がかかっているのに、そこに血管にダメージを与える生活習慣病になったら、血管が切れたり、動脈硬化が起こるのは当然だということを伝えて、生活習慣病の予防と改善を呼びかけています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕