物価の変動の指標とされることが多いのはビッグマックの価格です。国内の変化だけでなく、海外との物価比較にも使われています。“ビッグマック指数”という言葉もあって、イギリスの経済専門誌の『エコノミスト』がビッグマック1個の価格を比較して、各国の物価や経済力を判定するときに使われています。
ビッグマックは日本では390円から410円に値上がりすると話題になっていますが、アメリカでは日本円換算で700円を超えています。これでもスイスの900円超に比べたら安いほうが、というようなことがメディアでも伝えられています。(極端な円安だと、さらに価格差は開いていきます。)
こういった情報はメディアでもSNSでも情報共有されているのに、“そもそも論”の店名には疑問も感じていないという人も少なくありません。その店名は言うこともないほど有名なマクドナルドです。しかし、英語表記を見ると「McDonald’s」と、最後にsがついていると、これを発音することは英語の授業で初めのうちに習ったはずです。
カタカナで表記すると「マッダーナゥズ」となります。アメリカでマクドナルへの行き方を聞いても?だけですが、カタカタ英語のマッダーナゥズなら親切に(?)教えてくれます。
McDonald’sはフランチャイズ進出するときには世界のどこでも、契約先に英語の発音を、その国の表記にすることを求めていました。ところが、日本で契約をした藤田商店の藤田田(でん)がマッダーナゥズでも、もう少し日本向きの発音のマクダーナルズにしても馴染みにくいということで、マクドナルドにしたという経緯があります。この話はゴーストライターをしていたときに、インタビューで藤田さんから直接聞いたことです。
普通に考えたら奇妙に感じることを、初めからマクドナルドという表記を目にして頭に刷り込まれていると何も疑問を感じないでスルーしてしまいがちです。この程度のことは、見聞きしている人に「へ〜」と感じさせるくらいのことで、NHKの「チコちゃんに叱られる!」のネタにしかならないかもしれません。
ところが、これが健康に関わることとなると、しっかりとした観察眼をもって、疑問を抱いたら、それを突き詰めていくという姿勢が大切になります。そして、正しいことを正しく実践していくということが、シェアの時代の情報共有の基本姿勢となるべきではないかと考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕