健康情報共有29 腸内で棲息できない善玉菌は意味がないのか

100億個の乳酸菌が含まれた青汁や、乳酸菌サプリメントを摂ることで腸内環境が整えられるという話に対して、外から摂った乳酸菌は腸内では1〜2日しか生き残れないということを前回紹介しました。

それでは何億個であっても摂取する意味がないのではないか、という声に対して追い討ちをかけるような情報もあって、それは「乳酸菌は小腸で働くもので、大腸で主に働く善玉菌はビフィズス菌」ということです。それなのに乳酸菌を摂取して大腸の善玉菌が増えるというのは変ではないかというマイナス情報です。

乳酸菌は大腸には棲みつかないので、大腸で働くことはない、というのは事実です。だからといって、「乳酸菌は大腸の腸内環境を整えることはない」と言うのも行き過ぎの意見です。というのは、乳酸菌は死んでからも意味があるからです。

大腸の善玉菌が栄養源(エサ)として摂っているのは糖質、乳製品(乳糖)、食物繊維(多数の糖が結合したもの)です。乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り出す細菌ですが、死んだあとには善玉菌の栄養源となります。

乳酸菌が腸内で生きているときには、乳酸を作り出すので、小腸内を酸性化させていきます。善玉菌は酸性環境で増殖しやすいので、酸性化が進むほど、小腸内に棲息している善玉菌が増えていきます。酸性の状態は大腸にも影響を与えて酸性化を進めます。

もちろん、大腸まで届いて、大腸で活躍するビフィズス菌は大腸を酸性化させて、もともと棲息している善玉菌を活性化させていきます。

わずか1〜2日しか棲息できなくても、ちゃんと役割を果たしているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕