健康食品の法規制11 商品名や社名が違反と指摘されたことがある

健康食品の表示の規制は広告やチラシなどが主なものですが、商品名やキャッチフレーズが違反とされたことが過去にあります。それは2007年5月のことで、大手10社が軒並み違反としてメディアにも発表され、信用を失い、販売が大きく低下することになりました。

それは圧ダウン、圧バランス、健圧、糖ダウン、風なし、アトなし、アレル気サポート、ふしぶし、楽節、健節、もれなし、トイレ減、すっきりサポート、ぜんりつ、しみなし、休カン、むずむず、あったかといった商品名です。

商品名そのものは、疾病の予防や治療を直接的に表すものではないので、これだけで違反とされることはありません。ところが、圧ダウンのパッケージには血圧計のイラストが、風なしにはマスクのイラストが、すっきりサポートにはトイレのイラストが描かれていて、これが予防効果、改善効果を匂わせるものと判断されました。

イラストを取り除くことで、その後も販売が続けられているものもあります。それは上記の名称を見れば、イラストや解説がなくても何に対して使われるものか想像がつく、絶妙なネーミングだからです。

これとは別の商品ですが、商品名に添えられていたキャッチフレーズが問題となって販売ができなくなったものがあります。そのキャッチフレーズについては、講習会などの機会に直接話をさせてもらうことにしますが、初めて目にして指導をしたときに、このキャッチフレーズは違反となるので外すことを言いました。

ところが、キャッチフレーズだと思っていた文言も含めて、すべてが商品名であって外せないということで、そのまま販売店に納品されました。その結果、各販売店から違反の表示のものは扱えないと着払いで返品があり、まったく売れなくなったうえに、返品処理だけで大赤字になってしまいました。

それだけでは済まずに、キャッチフレーズに使った文言の一部が社名と同じだったこともあり、社名が法律違反として指摘された初めての事例となりました。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕