健康食品の法規制39 作用機序の信頼度

健康食品の有効性は、どのように身体で作用するのかという仕組みを使って示されます。これは作用機序と呼ばれていて、身体の機能と合致していると、そのことを説明されたときに納得しやすいということがあります。

例えば、血糖値の急上昇を抑制して糖尿病を予防・改善効果が期待される商品については、胃で糖質がブドウ糖に分解されることを抑える素材、小腸からブドウ糖が吸収されることを抑える素材、血液中に入ったブドウ糖が細胞に取り込まれる速度を高める素材、細胞にブドウ糖を取り込むために必要なインスリンを膵臓から分泌させる素材、ブドウ糖を細胞のミトコンドリアに取り込むことを進める素材といったものがあります。

これだけのものを組み合わせれば、どのような理由で血糖値が上昇していても、それを抑えることができそうだと感じさせることができます。消費者は、ただ飲めば血糖値が下がるといった体験談的なことでは納得しなくなっています。

作用機序を説明することができる素材を使うのはよいとしても、その作用機序が起こるためには、機能性がある素材があって、それが機能性を発揮するだけの分量が使われている必要があります。

同じ機能性がある素材であっても、有効性には差があります。例えば、胃で糖質がブドウ糖に分解されることを抑える素材としては、サラシア、コタラヒム、グァバ、桑の葉、菊イモ、白インゲン豆などがあります。この中から何を選ぶのかは重要ですが、一般に知られている素材を選択することもあれば、他の会社が使っていない素材を選択する場合もあります。

とはいっても、機能性につながる表示の法規制があって、広告で伝えられることには限界があるので、他の方法で伝える工夫も同時に必要になります。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕