健康食品 敵か味方か26 水で飲まないといけないのか

健康食品でも医薬品でも、それを飲むために使うのは水か白湯(さゆ)というのが常識です。食事のあとに飲むのだから、食卓にあるコーヒーでも、お茶でも、牛乳でも、ジュースでもよいだろうという感覚の人が多いかと思いますが、中には相性がよくないものがあります。

医薬品との飲み合わせから先に説明すると、カルシウムやマグネシウムは医薬品成分と結合して吸収されにくくなるので、牛乳で飲むのは禁止されています。フルーツジュースは、その中に含まれる酵素によって吸収が阻害されることがあるので、これも禁止されています。特にいけないとされるのは血圧降下剤とグレープフルーツジュースの組み合わせです。

吸収が早くなってリスクが高まるということですが、血圧や血糖値を下げる医薬品は早く効きすぎると低血圧、低血糖の恐れもあります。脂肪に溶けてから吸収される成分が吸収されすぎることがあるので、牛乳やコーヒー、脂肪の多いジュースも禁止されることがあります。最も医薬品の吸収を早めるのはビールです。

健康食品の場合には、お茶を避けるべきだと言われていますが、これはタンニンが鉄を結合させて吸収を妨げるためです。ジュースの中には粘度が高い水溶性食物繊維が含まれたものがあります。果物のジャムになる部分のペクチンは水溶性食物繊維です。特に多く含まれているのはアロエジュースで、水溶性食物繊維が健康食品の成分を吸着して、吸収されにくくするからです。

カフェインは興奮作用があるので、カフェインが含まれた緑茶、紅茶、コーヒーなどは、精神安定によいとされる健康食品(GABA、セントジョーンズワートなど)の働きを抑えることがあります。逆に興奮系の成分の効き目を高めることもあるため、これらの飲料と健康食品との飲み合わせは避けるべきです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕