健康食品 敵か味方か41 ノンアルコールだけに機能性表示

機能性表示食品は、従来の健康食品の形状(錠剤、カプセルなど)だけでなく、通常の食品や飲料でも、裏付けとなる研究成果・論文を提出することで、機能性の表示が認められています。血圧を下げる機能があるバナナも、血糖値を下げる機能があるお茶も、機能性表示食品の中に分類されています。

機能性表示食品の飲料の中には、ノンアルコールビールも含まれていて、血糖値や中性脂肪値の上昇を緩やかにする難消化性デキストリンが含まれるものもあります。飲食をするときに、これを飲むことで血糖値などをあまり気にせずに食事することができるといった期待があって販売数も増え、商品数も増えています。

血糖値や中性脂肪値が高めの人は、できることならノンアルコールではなくて、アルコールが含まれたビールやビール系飲料(発泡酒や新ジャンル・第三のビール)を飲みながら食事をしたいという思いがあるはずです。

機能性表示食品にはビール、ビール系飲料だけでなく、アルコール飲料は含まれていません。というのは、一つにはアルコールには血糖値を上昇させたり、肝臓で脂肪合成を進める作用があるために、アルコールを摂取したら機能性表示食品としての機能性が弱められてしまうからです。

もう一つの理由は、摂取しすぎの弊害が考えられていることです。機能性がある食品は、その機能を求めるあまりに多く摂取してしまうところがあります。機能性表示食品の機能性の部分は、過剰症にならないように摂取量が定められています。通常の範囲の摂取であれば過剰症は起こらないはずですが、アルコール飲料の場合には飲みすぎる人がいます。

そのために過剰症が起こることが心配されています。また、機能性を求めるあまりにアルコールの過剰摂取にもつながりかねないということで、ノンアルコールの飲料だけしか機能性表示食品とはしないようにされているのです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕