健康食品の形状といえば、錠剤型、カプセル、粉末、液体などがあります。機能性表示食品の登場から、見た目は食品であるのに健康食品と同じ有効性を打ち出し、その有効性を求めて購入されているものもあります。機能性が表示されていなければ、他の食品と同じようなものであっても、高めの価格でも販売されるのが機能性表示食品の特徴です。
同じようなものということで、よく例にあげられるのは酵素です。酵素は動物や植物の細胞の中にある生化学反応を起こすためのタンパク質で、酵素によって生化学反応が早く、強く起こるようになります。
酵素は生きている動物や植物の中で働くものもあるのですが、これを取り出して健康食品の素材として使われています。その加工法によって、有効性が異なってきます。異なるというよりも、効果があるものと、まったくと言ってよいほど効果がないものとに分かれてしまいます。
その違いを起こしているのは温度です。タンパク質は温度によって状態が変わります。これは卵を思い起こしてもらうとわかりやすいかと思いますが、42℃を超えると変化し始め、60℃を超えると固まって、それ以上は変化しなくなります。簡単にいうと生卵が半熟になり、茹で卵になるのと同様のことです。
酵素を取り出すには動物の場合には加熱して粉末にするか、植物の場合には発酵させる、といった方法が使われます。そのときに温度が42℃に達しないようにしないと性質が変わってしまいます。
42℃以下で加工したものも42℃を超えたものの、見た目は同じ粉末なので、この事実を知らないと酵素の機能がないものを、ありがたがって摂取することにもなります。その例として、次回は“ミミズの酵素”について紹介します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕