健康食品はサプリメントと呼ばれることがあります。健康食品は単独の法律がないために定義もされていなくて、そのためにサプリメントとの違いを定義することも難しくなっています。健康食品とサプリメントは、どちらも口から摂って、栄養の機能を得るために使われるものですが、分類的には健康食品の中でも栄養機能食品と分類されるものを指しています。
先にサプリメントの一般的な定義について説明しておくと、アメリカのダイエタリー・サプリメント(Dietary Supplement)を略した言葉です。ダイエタリーは「食事の」という意味で、サプリメントは「補助・補充・補完」を意味しています。
ダイエタリー・サプリメントは通常の食事では不足する栄養素を補うものということで、医薬品的な有効性性を求めて摂取する健康食品とは異なるものです。しかし、アメリカでは、医薬品的な機能性が求められるものもダイエタリー・サプリメントに分類されています。
これに対して日本では、機能性を表示できる健康食品を「保健機能食品」という名称で分類していて、これに該当するのは特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品の3種類です。このうち栄養機能食品はビタミン(13種類)、ミネラル(6種類)、脂肪酸(1種類)で、不足する栄養素を補うという意味では、サプリメントに該当します。
特定保健用食品と機能性表示食品については、別の機会に説明しますが、簡単に触れておくと特定保健用食品は、商品そのものを摂ってもらって試験をしたもので、有効成分が含まれた本物と有効成分が含まれていない偽物に分けて有効性を調べています。その結果は国による評価を受けています。
これに対して機能性表示食品は、機能性と安全性の科学的根拠を示して、それを消費者庁に届け出ることで表示できるものです。科学的根拠は試験結果だけでなく、論文に掲載された結果を用いることもできます。論文に掲載されていることで、同じ素材が同じだけの量含まれていれば同じ効果があるという考えがされています。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕