太るスイーツと太りにくいスイーツの違い

エネルギー量が高いブドウ糖や脂肪が多く使われたものを食べれば、太りやすくなるのは当然のことですが、エネルギー量が高いものほど脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が多くなるとは限りません。
和菓子の場合には、エネルギー量の多くが小麦粉や米粉などの糖質と、小豆(あずき)などのたんぱく質が含まれ、それに砂糖が加えられて甘い味となっています。和菓子に特徴的な餡(あん)は小豆を砂糖とともに甘く煮込んだもので、サツマイモや栗が使われたものもあります。エネルギー源としては糖質と砂糖が大半を占めています。
これに対して洋菓子は、小麦粉と脂肪に砂糖が加わっています。砂糖に含まれるブドウ糖によってインスリンが多く分泌されると肝臓での脂肪合成が高まっていきますが、さらに脂肪細胞に中性脂肪が多く取り込まれるようになります。つまり、血液中に中性脂肪が多くある状態でインスリンが多く分泌されると、脂肪細胞の中に多くの中性脂肪が取り込まれることになるので、同じエネルギー量であっても、ケーキやチョコレートなどの洋菓子のほうが太りやすいということになります。
和菓子の中には羊羹(ようかん)のように水溶性食物繊維が豊富に含まれたものがあります。一般的な羊羹は、天草(てんぐさ)やオノゴリなどの紅藻類から作られた寒天が使われ、ゲル化によって固められています。水羊羹は寒天の量を少なくして軟らかく仕上げたものです。もう一つの蒸し羊羹は、その名の通り蒸して作られていますが、寒天ではなく小麦粉や片栗粉、葛粉が使われています。片栗粉は以前にはカタクリ(ユリ科)の根茎から作られていましたが、今ではジャガイモを精製したデンプンが使われています。
水溶性食物繊維が多いのは羊羹ということになるわけですが、水溶性食物繊維は粘度が高く、ゆっくりと胃から腸に運ばれるようになるので、ブドウ糖の吸収が遅くなり、血糖値が上昇しにくくなることから、肝臓での脂肪合成が少なくなる利点があります。また、脂肪の一部を吸着して吸収されにくくする作用もあります。ほとんどエネルギー量がないので、安心して多めに使うことができるということです。