フルーツの身体を冷やす作用を逆手にとる

生のフルーツには、さまざまな健康効果があるのですが、一つだけデメリットがあります。それは身体を冷やすことです。暑い季節にはプラスに働いたとしても、それ以外の季節には冷えを生じさせることにもなります。フルーツには水分が多く含まれるものの、水分を多く摂っても腎臓が正常に機能していれば、余分な水分は排出され、冷えることはなくなります。フルーツは南の国が原産地のものが多く、色鮮やかなものは強い紫外線を浴びて抗酸化物質の色素を多く蓄えています。
植物は温かな地域で育ったものは身体を冷やす作用があり、寒い地域で育ったものは身体を温める作用があるというのが大原則となっています。また、地上で育ったものには身体を冷やす作用があり、土の中で育ったものは身体を温める作用があります。このことは東洋医学で言い伝えられてきたことですが、現在では科学的な研究によっても裏付けられています。
フルーツは温かな地域の地上で育っているので、身体を冷やすものとなっています。暑い季節には適した食べ物となっているものの、身体が冷えやすい人には冷やしすぎることになります。りんごは寒い地域で育つもので、強く温める作用はなくても、冷やしすぎることはないので、比較的安心して食べることができます。
身体を冷やす冷性食品は温めて食べることで、冷性と温性の中間の中性食品と同じようにすることができるわけですが、フルーツは一般には温めて食べることは少ないものです。
こういったフルーツのデメリットは、乾燥させてドライフルーツになるとなくなり、冷やすこともないが温めることもない中性の食べ物となるので、冷え性の人でも安心して食べることができます。
ドライフルーツは生のフルーツに比べると格段に硬く、噛む回数が増えます。よく噛むと唾液が多く分泌されて消化しやすくなるうえに、代謝が進みやすくなり、エネルギー代謝が高まることによって体熱も多く発生するようになります。こういったこともあって、ドライフルーツは身体を温める効果がある食品とされているのです。