学習支援5 学習障害の特性①識字障害2

識字障害の例について、それぞれ簡単に解説をします。
*ひらがなの音読が遅く、読み間違える
ひらがなは、ただ文字として読むことではなく、文字のつながりによって言葉としての意味があり、そのことを意識して文字を読んでいきます。識字障害では、目で見たひらがなの一つひとつの違いを頭の中で思い出し、記憶に当てはめて言葉として発することから音読の速度が遅くなります。早く読むことが求められると文字と言葉を一致させるための時間的な余裕がなくなり、読み間違えが多くなります。
*文字を逐次読み(一つひとつ拾って読む)する
言葉は複数のひらがなが組み合わされて構成されています。「い」「ぬ」という2文字が示されると、これは「いぬ」と読み、動物の犬を示している言葉だと理解します。そして、言葉として「いぬ」と発声します。この一連の流れが的確にできていないと、文字を文字として読むことしかできなくなり、一つひとつの文字を拾い読みすることになります。
*単語または文節の途中で区切ってしまう
ひらがなの組み合わせによる言葉の意味が理解できていれば、単語ごとに読むことができます。単語の組み合わせが意味をもった文節になることが理解できていれば、文節ごとに(「、」や「。」まで)読むことができます。ところが、文字と単語とのつながりが理解できていないと途中で区切って読むようになります。
*単語の文字を逆さに読む(いか→かい)
単語は文字の組み合わせで構成され、一つずつの文字を読み、その文字を記憶のテーブルに乗せて単語として理解します。文字カードでいえば「い」と「か」を選択してテーブルに置き、それを言葉として並べて理解することとなりますが、そのときに記憶した順番が乱れて、どちらから読んでよいかがわからなくなり、逆に読むということが起こります。