学習障害3 発達障害の学習障害に感覚過敏も含まれる

学習障害(LD:Learning Disabilities)は、全般的な知的発達には問題がなく、視覚、聴覚に問題がなく、さらに学習環境や本人の意欲にも問題がないにも関わらず、読む、書く、計算するなどの学習に必要な基礎的な能力のうち一つないし複数の特定の能力について、なかなか習得できなかったり、うまく発揮することができないことによって、学業成績や日常生活に困難が生じる状態を指します。
学習障害は「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3つがあげられ、ある特定の課題の習得だけが他に比べてうまくいかない状態を指しています。目安としては、学校での学習到達度の遅れが1〜2学年相当、あるいは1.5標準偏差以下というのが一般的です。
発生率は2〜10%と見積もられており、読みの困難については男性が女性より数倍多いと報告されています。こういった能力が求められるようになる小学校2〜4年生ころに成績不振などから明らかになります。その結果として学業に意欲を失い、自信をなくすことがあります。
学習障害は読字障害、書字障害、算数障害が特徴的ではあるものの、聞き取りの困難さ、感覚過敏による困難さも含まれ、そのために読字障害、書字障害、算数障害の状態が強く現れることがあります。学習障害は、いつも同じ状態ではなく、そのときの環境や身体の状態によって強弱があることが知られていますが、その原因の一つに発達障害の特性としてあげられる感覚過敏が影響を与えているということです。
学習の機会に集中できないというと、注意欠陥・多動性障害が思い浮かべられやすいのですが、感覚過敏の聴覚過敏によって耳から入ってきた周囲の音が選択されることなく脳に飛び込んでくるために、聞き取りたいと思っている教師や親などの教えてくれる人の言葉に集中できないということが起こります。視覚、嗅覚、触覚が過敏であることから環境に馴染めず、これが学習障害の状態を強くすることもあります。