整えるダイエット22 不飽和脂肪酸の多い良質なたんぱく質

たんぱく質が不足すると筋肉が増やしにくくなります。たんぱく質の中でも9種類の必須アミノ酸のバランスが取れている“良質なたんぱく質”は、肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品の、どれでもよいことになるのですが、「高齢者は肉を食べろ」と言われるほど肉への関心が高まっています。

実際に肉を食べている高齢者は健康で長寿だと言われています。肉を食べすぎると飽和脂肪酸の摂りすぎになって、動脈硬化のリスクが高まることから、むしろ減らすように言われてきました。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、三大エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)のうち脂肪の割合(エネルギー比率)は20〜30%にすることが推奨されています。そのうち飽和脂肪酸は7%以下にして、不飽和脂肪酸(魚の脂肪や植物油)を増やすという摂取基準が設けられています。

これに従って、飽和脂肪酸の摂取量を制限しようとすると、あまり肉を食べないようにする、肉を食べるにしても飽和脂肪酸が多い牛肉は減らして、飽和脂肪酸が少なめの豚肉や鶏肉を食べることがすすめられています。

“肉”と聞いて思い浮かべる種類は地域性がありますが(関東では豚肉、関西では牛肉というように)、動脈硬化のリスクを考えると牛肉ではなく、豚肉と鶏肉にして、魚からもたんぱく質を摂ることが選択の中心となります。食事が淡白になりすぎて、魚が中心の食事ではなくて、肉も食べるというのが「高齢者は肉を食べろ」の本当の意味ではないかと考えるところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)